ねこのまどろみ

旅行系サークル「ねこのまどろみ」のブログです。旅行記・プロ野球ドラフト予想・ゲームプレイレポ・鉄道模型工作など雑多に綴っております。

彷徨い歩いてヨーロッパ・食い倒れ道中記~4日目~

プラハ市内観光1

朝。曇り空だが、雨は降っていない。

市内観光するには問題なさそうだ。

 

▲朝。

 

まずは腹ごしらえ。甘いパンがおいしい。

なお、スクランブルエッグだと思って取った黄色い物体はタルタルソースかマヨネーズ的な何かであった。(料理の説明書きは)ないです。

 

▲宿からはマサリク駅が見える。駅直結のホテルだしね。

 

宿を発つ。今夜も同じ部屋に宿泊するので、荷物の心配は不要だ。

また、今日は18時から演奏会の予約を取っている。それまでに市内を見て回ろう。

 

▲S字カーブを描くトラムの線路。建物の隙間を縫っていく感じがいい。

 

イスタンブールは半分ヨーロッパだが半分アジアだ。したがって、私にとって初めての「純ヨーロッパ」はこのプラハということになる。

相応に感動していたのだが、同行者のA氏は「ロンドンで見た」と冷めたご様子。
 

▲駅だー!

 

観光に出発する前に、マサリク駅でチェコの列車を眺める。

この駅は国内のローカル列車が発着する駅で、電光掲示板にもKolín:コリーン行き、Kralupy nad Vltavou:クラルピ・ナト・ヴルタヴォウ行きなど、プラハ近辺の都市名が並んでいる。

 

▲並ぶ列車。

 

▲別角度から。

 

近距離列車の主力は「City Elefant」の愛称がついた2階建て車両のようだ。いずれも3両編成だが、2階建て故の重厚感がある。落書きもある

鉄道要素を回収したところで、トラムに乗車する。

 

▲マサリク駅のトラム停留所。

 

プラハのトラム車両は大雑把に分けて「とても古いの」「ちょっと古いの」「新しいの」の3種類。また、いずれも運転台が片側にしかないのが特徴だ。 
 

▲上の方が新しい車両。

 

なお、ほとんどの系統が市内中心部を貫いて、郊外を終点としているので、方向転換の場面には出くわさなかった。

 

26系統でマサリク駅から北に進んでヴルタヴァ(モルダウ)川を渡河。「Letenské náměstí」停留所で降りる。

この「náměstí(ナームニェスティ)」は「広場」という意味で、停留所名としては頻繁に出てくる。「nádraží(ナードラジィ):駅」などと合わせて、数日プラハをウロウロしているうちに把握できてきたのだが、この時点では分かっていない。

 

▲あ、これはどうもご丁寧に……。

 

▲重厚な建物。

 

さて、看板の指示に従ってやってきたのは国立技術博物館。

学割の入場料100コルナ(約500円)をお支払いして入ってみると……

▲ヴォースゲー

 

古くから工業が盛んな国らしく、様々な展示物が所狭しと並んでいる。

吹き抜け構造のメインホールに鉄道車両や自動車が鎮座し、2~4階の回廊状の通路ではバイク等が展示されている。

説明書きはチェコ語の他、英語も併記されているので何となく読むことができる。

 

▲尻。

 

WW2の名機、スピットファイア(LF(低高度型) Mk.IX E)。

亡命チェコスロヴァキア空軍のパイロットがイギリス空軍の義勇兵として戦った縁で展示されているようだ。

 

▲色々あります。

 

▲103号機を覗き込んでみる。

 

蒸気機関車は複数展示されている。103号機の直置き窯、それでいいのか。

 

▲ちっこい。

 

豆戦車Stridsvagn m/37。チェコスロヴァキアのAH-IV戦車のスウェーデン向けバージョン。

 

▲カメラや時計。

 

カメラや時計といった精密機械の展示もある。

 

▲科学?化学?

 

こちらの科学系の展示室は子供への教育目的もあるのだろうか。

 

建物はコンパクトだが、全体のアイテム数はかなりのもので、ワンコインの入場料は破格だ。適当なタイミングで切り上げたため、1時間半の滞在となったが、いようと思えば倍は長居できるだろう。

 

▲レトナ公園。ランニングや散歩をしている人がいる。

 

博物館を出ると、裏手(川に近い方)は公園となっている。

▲赤いトラムの車体が冬景色に華を添える。

 

公園からヴルタヴァ川に向けては急な坂だ。降りていく最中、トラムが次々と橋を行き来していく。

 

プラハ城方面を望む。


川沿いも散歩。鳥がいた。岸には船が多数係留されており、レストランとしての機能を持ったものもあるようだ。

 

そういえば、既に12時を回っていた。昼食スポットを探さねば。

ということで、トラムと地下鉄を乗り継いで移動する。

 

▲地下鉄入口。今度は迷わなかった。

 

▲券売機と打刻機。


ヨーロッパでは信用乗車が基本だ。トラムはもちろん、地下鉄も改札口というものは存在しない。

1回券で乗車する場合は打刻機にきっぷを通すが、乗り放題券を使用中の我々や、定期券利用と思われる客はこれをスルーしていく。

 

▲まずはA線に乗車。

 

プラハの地下鉄はA・B・Cの3路線。Aは古く、Cは新しめ。

3つの路線は市の中心部でデルタを形成しており、「AとB」「AとC」「BとC」の乗換駅がそれぞれ1つ存在している。……とまあ、非常に分かりやすい。路線名は味気ないが。
 

▲乗換駅は2箇所。

 

▲C線の車両は少し近代的。

 

▲本駅の1F部分に帰還。

 

「Staroměstská:旧市街」駅からA線で「Muzeum:博物館」駅、C線に乗り換えてプラハ本駅まで戻ってきた。

 

ここではまず、明日以降の布石として、ユーレイルパスを起動

ユーレイルパスは駅の窓口に行ってスタンプを押してもらい、First dayとLast dayを記入してもらうことで有効化となる。その後、実際に使う日付は自分で書き込んでいくというスタイルだ。うっかり記入ミスすると1日分が無駄になるため、慎重に書き込まねばならない。

 

▲右側の日付スタンプを押してもらった。

 

ひと仕事終えたところで、駅近くの昼食スポットを探してみたが、あまり見当たらない。

結局、きっぷの件も含めて30分ほどうろついた後、エキナカにある「Potrefená Husa(ポトレフェナー・フサ)」という店に落ち着いた。

 

▲どちらかというと酒を飲む店だろうか。

 

▲ええやん。

 

私はポークステーキと、「ポテトパンケーキ」なる料理を注文。でっかいポークステーキに、大量のインゲンがついてきた。

ポテトパンケーキはハッシュポテトのようなもので、結構な量を出してくれた。いずれも酒に合うような濃い目の味付けで、歩き疲れた身体には丁度いい。

 

酒好きの友人は早速ビールを楽しんでいたが、ガチ下戸の私は大人しくご飯を食べることにする。

 

クネドリーキに苦戦する友人氏。

 

なお、自分の飲み物の注文は忘れた模様。水はタダじゃねーんだぞアホ。 


プラハ市内観光2

お腹の虫も収まったので、駅のコンビニで水のペットボトルを購入しつつ、次の観光スポットに移動する。

音楽好きのA氏に連れられ、地下鉄C線へ。

 

▲C線でI. P. Pavlova駅へ。

 

▲「建築の町」ゆえ、建物は多種多様。

 

▲到着。

 

「I. P. Pavlova:人名(犬で有名なパブロフ君)」駅から5分ほど歩き、ドヴォルザーク博物館に到着。

道中、青の時間が5秒しかない冗談みたいな信号機があった気がするが、気のせいだろう(いいえ)。

 

▲秒数表示はしてくれる。短すぎるだけで。

 

こちらの博物館は小さく、入場料も学生30コルナ(約150円)とお安い。2階天井の宗教画が美しかったのだが、撮影はダメと言われてしまった。残念。

なお、ドヴォルザークチェコ語っぽく読むと「ドヴォジャーク」らしい。


さて、現在時刻は15時半。演奏会が始まる18時までは少しあるが、観光スポットに立ち寄る余裕はさすがに無い。

どうしたものか……と思ったが、これは鉄道旅行。そうだ 鉄道、見に行こうとばかり、プラハ本駅に引き返すことにした。

 

逆方向の地下鉄に乗り間違いつつプラハ本駅に到着し、そのままホームへ。改札が存在しないので、入場券もクソもなく上がれてしまう。

 

▲やあねえ。

 

美しいドーム屋根。首都の中心駅たる堂々とした佇まいだ。

ただ、7本のプラットフォームのうち、5番~7番はこのドーム屋根の外にある。
 

▲マンホールのデザインって結構面白いよね。

 

マンホールに描かれた駅舎の姿。

 

▲すっごいの来た。

 

チェコ鉄道の列車は「CD(České dráhy)」のマークがあるが、これは「CSD」。要するにチェコスロヴァキア時代の車両ということか。

巨大な駅にたった1両、ポツンと鎮座している様子は却って存在感がある。

▲水色と青が鮮やかな塗装。

 

奥のホームに停まっていた長距離列車。食堂車が付いている。

この旅行中で1回は食堂車を使いたいなあ……ところで1等車がはみ出してますよ

 

▲さっきの食堂車編成を引く機関車。オーストリア連邦鉄道(ÖBB)車だ。

 

レールバスのような小型車両。

 

▲振り子式車(ペンドリーノ)の680形。

 

チェコ鉄道のロゴ。

 

うーむ、見ているだけでも楽しい。というか、国内と違って「知っている車両・列車」が一切来ないので、何が来ても面白いという入れ食い状態。短くも濃厚な時間を過ごすことができた。


音楽とメシに抱かれて

 

▲これまた荘厳な建物。

 

17時半、「Staroměstská:旧市街」駅近くのルドルフィヌムへ到着。建物は19世紀後半の建築で、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地にもなっている。

この音楽公会堂が、本日の演奏会 の会場だ。

 

▲中はこんな感じ。

 

上記の楽団が本拠とするドヴォルザークホールという大きな会場も備えているが、今回の演奏会は「バイオリン2・ビオラ・チェロ」のカルテットによる演奏を間近で聞けるというもので、小ホールで行われた。

我々は普通にチケットを予約して聞きに来たのだが、それほど大勢の聴衆を集めるわけでもなく、プライベートな演奏会を開いてもらっているかのような感覚を味わえた。同席したのは20人ほどだっただろうか。

 

当然撮影などできないし、そもそも音楽なので紙面で表現できるものでもないが、たっぷり1時間も生演奏してもらった。バイオリン成分が50%も含まれているため、どことなく悲しみの色を帯びていたことは覚えている。

 

ちなみに、学割のおかげでチケット代は500コルナ(約2500円)。定価の半額である。善き哉。

 

▲暗くなりました。

 

音楽で心を満たした後は腹だ。5、6時間前に押さえ付けた腹の虫がまた唸り始めているので、今度は夕食スポットを探す。

 

……が、これがまた難儀する。

 

最初に挙げた候補は既にラストオーダー時刻を過ぎており撃沈。

そこで、一旦宿に荷物を置いて熟考してみる。結果、よく分からなかったのでマサリク駅側から再度旧市街方向へ歩いて探してみる。

 

▲火薬塔を通って……

 

▲こんばんは。

 

旧市街の広場はプラハ有数の観光地。うろちょろしているうちに20時を回り、21時が近づいてきているが、人波が途絶えない。プラハで初めての「人混み」だ。

 

▲ダメでした。「U modré kachničky II」。

 

A氏が良さげな店を発見し、店員と話してみるが、この日は予約オンリーらしくまた撃沈。だんだんグロッキーになるA氏。これはアカン

早急に腰を落ち着けなければ……。しかし空いている店は……そこかッ!

 

▲ほっと一息。

 

▲パンはサービスです。


ということで、旧市街の広場にあったオープンカフェのような場所に入店。

 

どうやら地元のホテルが出店しているらしく、お外でホテルメシが食べられるということだ。注文したハンバーガーもなかなかの逸品だった。

今回はデザートにクレームブリュレも頼んでみた。169コルナ(約845円)したので、さぞかし高級なものが出てくることだろう。

 

 

デッッッッッッッッッッ

 
器の長辺がデザート用スプーンの1.5倍はある。実は2~3人前なんじゃないのかこれ。

 

当時はCOVID-19のない平和な世の中だったのでシェアを提案するが、A氏は固辞。ありがたく独り占めさせていただいた。

ちなみに、量だけでなく質も良かった。 

 

おやすみなさい

どうやら夕食も終わり、腹ごなしに歩いて宿に戻る。

 

で、今日はシャワーを浴びる前に、フロントのオバちゃんからドライヤーを借りておくことにする。

磨き抜かれた中学生英語で交渉し、無事ゲット。1000円のデポジットを求められたので預けておく(翌日当然返ってきた)。

 

プラハはヨーロッパでも随一の観光地だ。このような簡単な交渉であれば英語で通じるし、向こうも英語で返してくれる。が、どんな場面でもチェコ語で挨拶すると愛想が良くなるということが分かってきた。

 

この先様々な国を巡り、その都度言葉も変わるのだが、「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」くらいは覚えておくと、いい気分で旅行ができる予感がする。チェコ語ならそれぞれ

 

“Dobrý den.”
“Děkuji.”
“Na shledanou.”

 

といったところか。口語・文語の違いとかでいくつか種類があるが。

ようやく読める(意味が分かるとは言ってない)語が増えてきたチェコ語を噛み締めつつ、私は緩やかに眠りに就いた。