こんばんは(?)。飛鷹です。
今回もやりますやりました、甲子園観戦記リアルタイム更新。
現地は
およそいつも通りの甲子園。
コロナ禍は遠くになりにけり。
3/18
開幕日だが、ド平日でもあり、人流は穏やか。阪神電車も余裕で着席できた。
座席としては3塁側前方へ。
前日は最高気温20℃の観戦日和だったのだが……今日は少し肌寒い。ただし、日が直撃すると暖かい。
厚めのズボンと、上は最大5枚の重ね着ができるように調整。さらにマフラーや手袋をカバンに忍ばせ、万全の体制を築く。こんなことしているから荷物がデカくなるんだよ。
注目の低反発バットだが、「カキーン」という従来の音がほとんど無く、「カシッ」「カツッ」「カコッ」など、擦ったような音が響く。基本的に打球も弱めだが、同じ音でたまに外野、下手したらフェンスまで飛ぶので違和感モリモリ。
八戸学院光星5-3関東一
八戸学院光星は三者凡退、関東一もダブルプレーを食らい3人で攻撃終了と、今年のセンバツは静かな立ち上がり。
前半はやや攻め手を欠く八戸学院光星に対し、関東一は4番・高橋に送りバントやバスターを命じるなど多彩な攻撃パターンを披露。
5回裏にそれが実り、1番・飛田の盗塁が相手エラーを誘ってランナー3塁。2番・坂本のタイムリーで先制。なるほど、今大会はこんな感じか。
八戸学院光星の反撃は7回表。ヒットと四死球で満塁として、代打・小笠原のタイムリーで同点。
ただ、関東一はライト(中継プレー含む)に2つの好返球があり、このピンチは同点で凌ぐ。
そして8回裏に連打で1点を勝ち越し、これは関東一勝ったか……?というところでマモノさんご来場。
9回表、八戸学院光星無死1塁から送りバントを選択。するとフィルダースチョイスでランナーが二人残りチャンス拡大。改めて送りバント、犠牲フライで同点に追いつく。
そのまま試合は延長戦、タイブレークへ。
10回はお互いバントを成功させるも無得点。11回に突入し、またマモノさんの出番。
1点を勝ち越した直後の八戸学院光星、5番・佐藤の強い当たりをサード・高橋が身体で抑えるナイスプレー。ところが二塁送球が逸れて1点。2死からワイルドピッチでもう1点。
初戦から張り切りすぎやぞ。
タイブレークで3点差は大きく、八戸学院光星が逃げ切った。先発・洗平は156球の熱投が報われる形に。
どうやら今大会は今まで以上に、四死球や失策を出さないことが重要となりそうだ。
田辺2-4星稜
序盤は全くの互角。
星稜が重盗で先行するも、田辺が直後にタイムリーで同点。星稜が4回表に再び盗塁を絡めて勝ち越すも、裏に田辺がスクイズで同点。田辺はバントが尽く決まるし、エース・寺西の球も荒れずに試合を作っていく。
石川生まれで星稜の輝かしい戦績を知っている筆者、この辺からだんだん嫌な予感がしてくる。
7回にはエース・佐宗に代打を出すなど勝負手を打つが不発。
これはアカンと筆者が頭を抱えたが、小柄な背番号18・戸田がランナーを出しながらも0で耐える。
すると9回表、1死1・2塁で小さなバッテリーミスを見逃さず、ランナーが進塁。そして本日3人目の代打、東が2点タイムリー。
裏には右のエース・道本を出してやれやれ、何とか勝ったな……と余裕ぶっこいたところで田辺の連打。
1死2・3塁のチャンスを作られ、球場の浮動票が田辺に靡く中で、道本が何とか抑えきった。
マモノは星稜がお好き。
なお、両チームに惜しい外野フライがあり、従来のバットであればもう少し点の取り合いになっていただろう。
近江1-2x熊本国府
第2試合までは上着を脱いでいたが、日が傾き寒くなる。2枚追加しマフラーも装備。
秋の近畿大会でマダックスを決めた近江・西山だが、序盤は荒れ気味。四死球も暴投も記録し、球数が嵩む。
しかしボールのキレは抜群で、ストレートで振り遅れの空振りを奪ったり、右打者が仰け反るようなインのスライダーでストライクを取ったり。三振の山を築く。
9回裏にはサヨナラのピンチを迎えるが、レフトの身体を張ったボール処理とサードライナーで抑える。
一方、初出場・熊本国府も持ち味の堅守を発揮。二遊間を中心に危なげなく打球を捌いていく。
8回表、継投直後に来た近江のバント攻勢をスクイズ失敗→連続三振で切り抜け、試合は完全に膠着。
早くも今大会2回目のタイブレークとなった本試合、10回表の近江はバント失敗からのゲッツーで無得点。
その裏、満塁で西山の169球目がワイルドピッチとなり、無情にも勝敗は決した。
試合はアツいが現地は寒かった。
3/19
バックネット裏へ。
もはや9時の試合開始に間に合わせるのが辛い。寝不足ダメ、ゼッタイ。
豊川4-11阿南光
曇り空。寒い。
風が吹き込まない分まだマシだが。
注目選手的に、投手戦なら阿南光、打撃戦なら豊川に分があるかな……という読みで入ったこの試合。
しかし阿南光が鮮やかに先手を取る。初回はラッキーな二塁打でチャンスを拡大すると、内野ゴロ2つで2点先行。
2回は満塁から2番・西村がレフトの頭を越す走者一掃のタイムリーツーベース。
最終的に2桁安打を記録した阿南光打線だが、ショボいヒットやバントヒットはかなり少ない。どの打者も大振りせず、丁寧にミートして外野へ運ぶバッティングが印象的だった。低反発バットの正しい付き合い方といったところ。
吉岡-井坂のバッテリーは相手打者や打席によって大胆に配球を変更。ストレートで押す場面もあれば、カーブとフォークで打ち取る場面、スライダーだけで抑えきる場面も披露。
前半は完全に阿南光ペースで進む。
豊川は3回以降、2番手・林(優大)、3番手平野が相手の流れを食い止めると、7回に反撃。満塁からタイムリーで1点を返す。
ここは好返球で2塁ランナーを刺されて1点止まりとなったが、8回。
豊川・モイセエフ、大会第1号!
— 飛鷹@せんアカ11 ア21 (@G_Deutschland) 2024年3月19日
着弾はファールっぽかったけど、上の方で巻いて入ったかな?#高校野球 pic.twitter.com/vWvtKN7Pox
https://twitter.com/G_Deutschland/status/1769908174050746631
3番・モイセエフの大会第1号。ここまでの3打席はあまり合っていなかったが、見事にかっ飛ばした。
(空が白くてポールを巻いたかどうか不明瞭だったが、実はファール説あり)
ただ、阿南光は直後に猛攻撃で6点。ここでも意表を突くスクイズや、ファールフライの体制を見て3塁ランナーをタッチアップさせるなど、上手に攻め込んだ。
9回裏、豊川も粘ってモイセエフまで繋ぐが、吉岡が三振を奪ってゲームセット。
ちなみに、3塁側ベンチが近いので阿南光ベンチの動きや声がよく分かる。
監督が大きなジェスチャーで外野手のポジショニングを示したり、審判が重なってファールフライを取れなかった内野手に「ただのファールやぞ」と鼓舞するメッセージを送ったり、的確なサポートが目立った。
敦賀気比0-1x明豊
曇り空。寒い。
薄雲の向こうに太陽の位置は確認できるのだが、暖かさはさっぱりである。
意外にも初対戦となる名門校同士の一戦は終始明豊ペース。
先発・寺本が好投を見せれば、バックもカチカチ守備で盛り立てる。内外野まんべんなく打球が飛んでくる中、最後までノーエラーで守りきった。
7回表にはいい当たりを飛ばされ始めた寺本から、エースの野田へスイッチ。2球で片付けて継投も成功する。
一方、敦賀気比は失策もありランナーこそ背負うものの、エースで4番・竹下が踏ん張る。昨年大阪桐蔭相手に力投した経験が生きているのだろう。
タイブレークがチラつく9回裏、明豊は1死1・2塁のチャンス。
しかし、3番・舩見は初球を打ち上げてレフトフライ。
4番・石田も弱いファールなどで追い込まれ、やはり延長か……という雰囲気から強烈な当たり。セカンドが弾き、バックアップに入ったライトから良いコースに返球されるも、バウンドした分わずかに捕球位置がズレて追いタッチに。
審判の手が横に広がり、サヨナラ勝ちで明豊が接戦を制した。9イニング堅く守ってきたことが実を結ぶ形に。
学法石川0-4健大高崎
もう一生曇り空。
甲子園カレーを食べたので少し暖まった。
投打にタレントを擁する健大高崎に対し、学法石川は大黒柱の背番号2・大栄が怪我明けで、ベンチスタートせざるを得ない状況。
それでも先発の佐藤(翼)が、健大高崎の佐藤(龍)と互角の勝負。5回までのチャンスらしいチャンスは、両チーム合わせて2回裏の2死1・2塁だけ。第2試合以上に打線がヒエッヒエ。観戦している筆者も冷えたのでグラウンド整備中におやつを買いに行く。
6回裏、健大高崎がファンブルを足掛かりにチャンスメイクすると、暴投でまさかの1点。これが呼び水になったか、7回にはマトモなヒットを集めて3点追加。
投げる方では先発・佐藤がノビのある球で三振の山を築き、2番手・石垣はMAX147km/hのストレートで押し込んで完封リレー。はえーよホセ。
プロ注目の4番・箱山も盗塁阻止にタイムリーと、役者が仕事をした。
学法石川は9回、満塁のチャンスを作るも、マモノは寝ていた模様。
3/30
準決勝。
3/23も関西入りしたのだが、雨天順延となったため再履修。これで3週間連続の関西入りである。
移動費で死にそうなので外野席へ行く。旧バットならホームランが飛んできたであろう位置。
低反発バットのせいで、打撃音は時々消える。無音のままボールだけが飛んでいるような感覚だ。芯に当たった場合は響くのだが。
星稜4-5健大高崎
先々週とは違う暖かい日。日もガンガン出ているため、タオルを首に巻いて対策する。
序盤から両チームに鋭い打球や好守備が見られる一方、マモノの姿も見られる。
3回表、まずは星稜サード・萩原が悪送球。このピンチは星稜エースの佐宗が防ぐ。
すると3回裏、星稜5番・服部の当たりがサードベースを直撃。2塁ランナーが悠々ホームインする。
4回表は星稜ライト・専徒の落球をきっかけに健大高崎が2点を挙げ同点。その裏、守備のいい健大高崎ショート・田中がまさかのトンネルで星稜勝ち越し。えー加減にせーよホンマ。
落ち着かない試合は7回、健大高崎がまともな長短打を集中させ逆転。星稜も直後に取り返し、まだまだ分からない雰囲気に。
しかし8回裏、1死2塁からセンターフライでランナーが飛び出してしまい、ダブルプレーで勝負あり。9回裏は健大高崎エース・佐藤が3人で抑えた。前の試合で割ったという爪の影響はとりあえず問題なさそう。
先発・石垣も100球を超えてなお147km/hを記録するなど、投手陣は快調だ。
一方の星稜。春ベスト8の壁は破ったが、神宮大会優勝の肩書を持ってしても甲子園優勝に届かなかった。石川勢による初優勝は遠い。
中央学院2-4報徳学園
薄曇り。ただ暖かさはそのままにそよ風が出てきたことで、観戦にはちょうどいい気候に。
前半は報徳学園ペース。初回からセカンド・山岡のカチカチ守備が飛び出すと、攻撃でもバントが面白いように決まる。外野スタンドを巻き込みアゲアゲホイホイも決まる。
臼井→蔵並と繋ぐ中央学院だが、次々クリーンヒットを打たれ、4回に2点を勝ち越されたところでリリーフエース・颯佐が早くも登場。
なおも打たれれば試合が壊れかねないところ、5回以降の報徳の攻勢を1点で凌ぎ切る。
すると8回、2死2塁から3番・水嶋のレフト前ヒットでランナーがホーム突入。タイミング的には完全にアウトだがタッチを掻い潜り生還。持ち前の機動力を発揮する。
さらに9回も2死2・3塁と一打同点のチャンスを演出。完投寸前の間木を攻めたて、今朝丸を引き摺り出す。
しかし、9番・岩崎の良い当たりはレフトフライ。報徳学園が逃げ切った。
記録上は1エラー付いたが今日も堅守で、難しい内野ゴロも、内外野の間に上がったフライも、事もなげに処理する姿が印象的だった。
中央学院は初勝利からの快進撃がついに止まった。
しかし、颯佐のスリーベースで一時同点に追い付くなど、熱い戦いを見せてくれた。シダックスファイヤーも魔曲の素質あり。また夏に見たいと思わせてくれたチームだった(千葉県は戦国すぎて、春夏連続出場だけでも簡単でないのだが……)。
3/31
いよいよ決勝戦。
太陽は雲の向こうに見え隠れするが、出ると暑い(22℃)。
午前中は神戸・異人館エリアを散歩していた筆者、ついにシャツ一観戦を実行。
健大高崎3-2報徳学園
戦力は互角、準決勝の戦いぶりも互角、エース・佐藤の指の状態を考えると僅かに報徳学園が有利かな……という世間の見立てで始まった一戦。
初回、報徳学園は5番・安井のライト前タイムリーで1点を取ると、その内野返球が逸れるのを見てもう1人突入。2点を先行する。
が、健大高崎も負けていない。ここまで不調の5番・森山がレフトオーバー。2点タイムリーツーベースで同点に追いつく。
ここから試合は見所さん溢れる展開に。
健大高崎先発・石垣は連投のマウンド。力の入ったボールは145km/hを計測するが、さすがに出力は落ちているか。
しかし、カーブ・スライダーを有効に使い、8奪三振。初球カーブでストライクを取るシーンも目立ち、4回表の相手6番・山岡への投球は白眉。
対する報徳学園・今朝丸はパワー全開。8回裏に149km/hを記録するなど、8回を僅か85球で投げ切る。落ちるボールも有効だった。
7回裏には牽制でアウトを奪うシーンも。
守備面では相変わらず報徳学園の内野が堅い。全員に好守備が見られたが、中でもショート・橋本。難しいショートゴロを捌いたかと思えば、ファールフライにも突っ込んでいく。後者は風のいたずらでフェアゾーン方向へ戻されたが、体勢を崩しながらキャッチした。
健大高崎も6回、1死2・3塁から前進守備を敷き、内野ゴロで冷静に本塁突入を阻止するなど、初回以降は堅守を披露。
四死球も両チーム合わせて4と少なめだし、余計な走塁死や暴投もほとんど無いし、上手いバントもあるし、全開ホンダもアゲホイも楽しそうだし、これぞ決勝戦という素晴らしいゲーム。
健大高崎1点リードで迎えた9回、リリーフした佐藤が2死から四球を出すと、代走・西川が盗塁。見事決まり、会場のアゲアゲホイホイは最高潮に。
しかし、ここで佐藤フルカウントから伝家の宝刀・スライダーで空振り三振。初優勝をもぎ取った。
1時間45分のスピード決着が勿体ないほどの好ゲームだった。
おまけ1
独断と偏見で選ぶセンバツベストナイン(各校につき1人までの縛り)。
おまけ2
ごちそうさまでした。