プラハ市内観光3
少し青空も覗くヨーロッパ旅行5日目。今日もプラハを観光し、夜は寝台列車に乗車だ。やることがたくさんある。
最初のタスクは当然、朝食だ。今日こそスクランブルエッグを食すことに成功。あとローングソーセージ。
また、宿を出発する前にSIMカードを有効化。これでやっと、安定的な通信環境が手に入った。
昨晩に引き続き、今度は日中の旧市街を歩く。火薬塔を通って広場へ。
建物の赤や緑の屋根と、青い空のコントラストが美しい。人が多いのは昨日と変わらない。
聖ミクラーシュ教会(聖ニコラス教会)。荘厳で華やかなフス派の教会だ。
なお、チェコもといボヘミアは、ヨーロッパがドンパチやっている時代、ドイツやらハンガリーやらポーランドやらの勢力圏がぶつかる交差点であり、フス戦争や三十年戦争といった宗教が絡む戦争を経験している。
が、アカい時代を含め紆余曲折あり、現在は無宗教者が過半数となっている模様。現在の「フス派」というのもフス戦争の時のフス派の後継を自称しているが、それほど大きな派閥ではないらしい。うーん宗教よぐわがんにゃい。
旧市庁舎の時計塔。下の方には2つの文字盤があり、ちょっとしたカラクリも仕掛けられているらしい。
旧市街から西へ歩き、カレル橋方面へ。新旧のトラムが建物の隙間を縫うようにして行き交う光景は何とも楽しい。
おまけに、道路幅≒線路幅なので、トラックや自家用車がトラムの後にくっついて走っていく。
そしてカレル橋を歩く。こちらもプラハ有数の観光名所。かなりの人だかりだ。ちょくちょく東洋系の人も見かける。
また、橋の上では様々なパフォーマンスや雑貨の販売が行われている。似顔絵描きはなかなか達者な腕前だった。
橋を渡った先の「Malostranské náměstí」停留所からトラムに乗り、「Anděl:天使」停留所へ。
ここはトラムの路線が十字に走る交差点で、地下鉄B線も通る交通の要衝だ。右から左からトラムがやってくるし、ポイントを直角に曲がっていくしで非常に楽しい。
で、Anděl停留所近くにあるのがこの鉄道おもちゃ博物館(Království železnic)。昨日の街歩き中に存在を知り、こうして訪れてみた。入場料は180コルナ(約900円)。
荷物をロッカーにぶちこみ、いざ館内へ。
やはりヨーロッパ、Nゲージよりも大きなサイズが主流だ。
ライトの色を切り替えて、時間の概念を表現。走っている車両も時々駅に停まったり、入れ替わったりしていて芸が細かい。
階段を降りるとさらにバカでかいレイアウトが。
プラハ本駅など、プラハの風景が再現された大ジオラマ。各所に散りばめられた小ネタはパネルで解説してくれる。
メインのジオラマ以外も展示は豊富。反転フラップ式案内表示機まで置いてあり、見どころ満載の施設だ。地元の人も子供からオタクまで集っていらっしゃる模様。
お土産も購入。列車のカードセット、50コルナ(約250円)。
プラハ市内観光4
気がつくともう13時。昼ごはんを食べねばならない。友人氏が良さげな店を提案してきたので、地下鉄で移動する。
B線で「Můstek:橋」駅へ。5分ほど歩いてお目当ての店に入る。
この「Pivovar U Medvídků(ウ・メドヴィードクー)」は1466年創業と、プラハでもかなり歴史がある醸造所・ビアホールで、観光客も多い店だ。
なかなか料理が出てこず「黄人は舐められている!?」と謎の心配をしてみたが、50人くらいの団体客とかち合っただけであった。
私は鴨のグリルを注文。シーザーサラダも頼んだが、チキンと鴨で鳥が被ってしまった。つーかクルトンでっけえ。
また、今日は忘れずに飲み物(カフェラテ)を注文。これもでっけえ。白ビールですか?
デザートはアプフェルシュトゥルーデル。ドイツやオーストリアのイメージが強い料理だが、オーストリア帝国よろしく中欧一帯で食べられているもののようだ。
全体的にボリューミーで、味もグッド。店内の雰囲気含めて良い店だった。
お値段も鴨が333コルナ、サラダが175コルナ、アプフェルシュトゥルーデル70コルナにカフェラテ60コルナ。観光地値段と考えると大して高くない、どころか飲み物やデザートは安くないか?
無事昼食も終えたので、続いてプラハ城を目指す。「Národní třída:ナショナル・ストリート」停留所から22系統に乗り、プラハの北西部へ。
プラハ城近辺は丘になっており、2両連結の旧型車両はグネグネと曲がりながらとんでもない急坂を上がっていく。何となく日光いろは坂を思い出す。
「Pražský hrad:プラハ城」停留所で降りるはずが、居眠りもしていないのに2駅乗り過ごして「Pohořelec:地名(「燃えた」の意らしい)」停留所まで行ってしまう場面もあったが、プラハ城目指してテクテク。
いつの間にか、曇り空に戻っている。
正門に到着。門を飾る「戦う巨人たち」像の下に、2名の衛兵が待機している。
脇からはプラハの市街地を一望できる。いい眺めだ。
簡単な荷物検査を受けた後、城の内部を散策し始めるが、何故か周りの客がオタクダッシュをキメ始める。何事!?
ああなるほど、16時ちょうどになったから衛兵の交代があるのか。
我々も流れについていき、交代の儀式を見物。見る側は呑気なものだが、やる側は大変だろうなあ。
さて、改めてプラハ城の散策をば。
やはり目につくのはこの聖ヴィート大聖堂。重厚な建築が見る者を圧倒する。本来は中もチェックすべきなのだろうが、あいにく3月は冬季営業。16時で閉まっているのである……。
プラハは観光スポットが多く、朝はゆったり出発を心がけていることもあって、まるで時間が足らない。
鮮やかな赤のイジー教会を過ぎると、小さな家の並ぶ黄金小路へ出る。
かつて城の召使いや錬金術師が住んでいたという通りは、現在観光客で溢れかえっている。写真左側の青い家は、フランツ・カフカが仕事場としていた場所らしい。
数々の装飾にも目を奪われる。左のドアの上部には、王冠をかぶった二尾のライオンという、ボヘミア王のエンブレムが斜めに掛けられている。
小路を抜けた先では、再びプラハの市街地を一望できる。
プラハ市内観光5
駆け足気味でプラハ城を見た後、市内中心部に戻ってきた。時刻は17時すぎ。
今夜乗る列車は22:15にプラハ本駅発で、まだ時間が残っている。昼が遅かったこともあり、食事よりは観光という気分だ。市内を散策する。
直角カーブを走り抜けたり、縦列駐車したり、愉快なトラムたち。
昨日のコンサート会場、ルドルフィヌム。
ルドルフィヌムから少し南へ行くと中央図書館がある。ちょっとお手洗いを借りた。
このすぐ側に国立図書館を擁するクレメンティヌムがあるが、2つの図書館は別物である。また、プラハ城の近くにも有名なストラホフ修道院の図書館がある。
これら図書館は建築や装飾もステキで、巡ってみるのも楽しそうだが、今回は思いっきりスルーしてしまった。最初から予定に組み込んでおかないと難しい。
日が落ち、闇に溶けてゆくヴルタヴァ川とカレル橋。18時を回ったが、カレル橋はまだ混み合っている。
プラハを代表する建物の1つ、市民会館があるのが「Náměstí Republiky:共和国広場」。マサリク駅のほど近くにある。ここもトラム路線はすごいカーブを描く。
市民会館に入っているレストランで優雅な夕食を……という案もあったのだが、結構混雑しているのと、まだ空腹感に襲われていないのとで、観光を続行する。
プラハ最後の観光はこの共産主義博物館。入場料は学生250コルナ(約1250円)。
チェコスロヴァキアが成立し、2つの大戦を経てアカくなり、やがてプラハの春、ビロード革命、現在に至るまでの歴史を紹介している。加えて、当時の生活用品の紹介などもあり、内容は濃い。
内部は撮影できなかったのでお見せできないが、資料に添えられた説明文(英文付き)が豊富で、歴史の教科書や資料集の中に入り込んでいるような感覚を味わえる。
読み応えのある展示に、思わず20時の閉館まで粘っていた。
初めての夜行列車
列車の発車時刻まで残り2時間。夕食を食べる店を探してもよかったが、A氏は店探しに対しギブアップ宣言。また、お土産を漁りたいのと、怖いもの見たさという点も含め、今夜の食事はスーパーマーケットで調達することに決定。
BILLAというオーストリア系のスーパーマーケットへ。
ここでお土産のゴーフルと、本日の夕食を調達した。ちなみに、TOFUとかUDONも扱っていた。
準備もできたので、宿に預けていた荷物を引き取り、プラハ本駅に向かう。
我々の乗る列車は一番下に表示されている443番、種別は「EN=EuroNight」だ。ヨーロッパ各国を結ぶ夜行列車がこの種別となっている。
この列車は日本風に言えば多層列車で、コリーン、パルドゥビツェ、オロモウツと経由していき、国境の町・ボフミーンで増解結。そこからクラクフやワルシャワを目指すというルートだ。我々の目的地・クラクフには6:17着。
なお、電光掲示板には別の列車の行き先である、スロヴァキア東部の町・フメンネーが表示されている。
サンライズ瀬戸・出雲の増解結と違い、ボフミーンにいるのは夜中の2時とか3時とかなので作業を見ることは叶わないだろう。あと、うっかりホームに取り残されたら怖い。
出発30分ほど前に、早くも列車が入線。なんか乗ってよさそうな雰囲気なので、まずは荷物を置きに行く。
車内は24系のB寝台車とそれほど変わらない雰囲気だ。もっとも、標準軌サイズなので少し大柄だが。
既に荷物を置いているが、本日の宿はこちら。2段寝台の上下を使う。はしごが窓側ではなく、隣部屋との仕切り部分に設置しているのが大きな違いか。
3段寝台の上段だが、車両が大きい分、窮屈さはそれほど感じない。24系の2段寝台に慣れている人なら問題ないだろう。
3段ベッドを向かい合わせた6人部屋が最大サイズのようだが、この部屋はしっかり区切られているし、真ん中のベッドも存在していないので、2人部屋ということになる。
鍵も掛かる(丸い穴が多数空いた白い金属板が鍵)。ガチの個室寝台車である。
この列車は座席車やクシェット(簡易寝台車)も連結しているので、そちらの方が安いのだが、プラハ~クラクフ~ワルシャワ間の夜行列車はあまり治安が良くないという噂を耳にした。
そうでなくとも、見知らぬ人と同席するのはリスクになるため、今回の旅行では安全重視で車両を選んでいる。
お値段はいわゆる指定席特急券・寝台券部分のみで、学生2人1107コルナ。1人につき2700円というところか……やっす。
部屋内の洗面台には備え付けタオルの他、1人につき水2本のサービスがある。あの、今1.5本持っているんですが……(さっきスーパーで買った)。
充電器を仕掛けられる場所が洗面台に1つ、下段ベッド下に1つしかない。延長コードをうにょーんと伸ばして充電中の図。
そんなこんなしているうちに出発の時刻と相成った。列車は緩やかにプラハ本駅を出、ワルシャワを目指して走り出す。
Na shledanou(さよなら),Praha!
未知との遭遇
出発から15分ほどして、夕食タイムに突入。外の景色に目をやったり、ここまでの旅程を振り返ったり、今後の予定を相談したりしながら食べ進める。
サラダやオレンジジュースは予想通りの味。ジュースは果汁100%の粒入りで、結構美味しい。
で、問題のメインディッシュがこちら。SUSHIである。
サーモンアボカドなどがメインで、計11点。ちゃんとランチャームに醤油が収まっているし、ガリも付いている。パッケージからして、日本人の監修か何かは入っていそうだが……。
日頃から「正体の分からない食べ物」には手を出さない私にとってはかなりの冒険だ。いただきます……
……
……
……!
……なるほど、食べ物ではある。
しかし、寿司かと言われると違う。SUSHIだ。米も醤油も違うからねえ……。ただ、ガリだけは本格派だった。
デザート(?)のマーブルなパン。少しかため。
こうして呑気に食事する2名。次なる目的地・ポーランドではどんな出会いとやらかしが待っているのだろうか……。