鉄道模型の工作というのは面倒なものだ。
「デキる」模型鉄の皆様方は素晴らしい作品を次々に作り上げており、工作の様子も発表しているが、いざ自分でやってみるとシール1つ貼るにも結構な労力がかかることを実感するだろう。
だが、彼ら自身も言うように、これら工作は自己満足の世界である。
「お世間様に自慢できるほどではないが、自分自身で楽しむには十分な出来」というレベルを求めるのであれば、よりお手軽・簡易な工作で済むのではないか?
ということで、素人が意識低めの工作をして失敗したり自己満足したりする模様を紹介する企画です。
鉄道模型のライト層、これから鉄道模型をやってみようという方々への参考ないし反面教師になれば。
本日のおもちゃ
今回扱うのは朗堂の未塗装コンテナ(12fコンテナ)。
やりたいこと・課題
未塗装コンテナを好き勝手デザインして、オリジナルコンテナを作りたい。
しかし、下地の塗装は面倒。塗装の道具やスペースが整っていない場合は特に……。
ロゴ等をどのように実装するかも悩みどころだ。
そこで、今回は下地から各種表記まで一体化したステッカーを貼り付けるだけでどうにかならないか、試してみる。
工作
1.デザイン
おもむろにPowerPointを起動(無論、扱いやすいソフトで構わない。CAD系ソフトもあり?)。
後述するように、ハガキサイズのステッカーに印刷するので、スライドのサイズを「14.8*10.0cm」に設定する。
次に、コンテナのサイズを測定。
ざっと「2.45*1.65*1.65cm」ほどだと分かった(コンテナ下部の「ツメ」部分の高さは考慮していない)。
そこで、PowerPointに「2.45*1.65cm」「1.6*1.65cm」の枠組みを作っていく。
そして、この枠内でデザインを作成する。
コンテナのデザインはシンプルなものが多いが、文字情報が多いものは「コキ50000禁止」とか「○○ターミナル←→××ターミナル」とか色々書いてある。
この辺は好みで入れたり入れなかったりしよう。
ただ、「フォークリフトのツメを刺す目標用の『▼』」、「『日本貨物鉄道輸送用』の表記」、「型番」の3つは必要だろう。
型番はWikipedia等で調べて捏造。
12ftコンテナの場合、19○形とか20○形とかに落ち着くだろう。
今回は物流会社の私有コンテナをイメージして、「U19X」形とする。
なお、文字サイズは、フォントにもよるが大きいもので8~9ptほど、「日本貨物鉄道輸送用」のような小さい文字は2pt、1.5ptなどとなる。
2.シール作成
出来上がったパワポのスライドはpdf化し、印刷する。
印刷する先はこれ。
ステッカーといえば、な有名どころであるA-oneの「手作りステッカー透明タイプ」。
ヨドバシカメラなどに行けば様々な種類のものが売っている(今回使うものと同タイプで白色背景のものもある)。
説明書きが同梱されているので、これに従って印刷を進めていく。
自宅のインクジェットプリンタでOKだ。
印刷が終わったら、これまた説明書きに沿ってフィルムを貼り付け、シール化する。
3.カット・貼り付け
必要な分を切り出す。ステンレス定規のご用意を忘れずに。
カッター自体は100均カッターでもいい(無論、高級品のほうが切れ味や操作感は勝るだろう)。
この際、結構ツルツル滑るので慎重に切り進めたい。
ただ、今回は透明タイプを使っており、デザインが無い(無塗装コンテナの下地の白色そのまま)部分があるデザインだ。
そちら側にカッターが入る分には気にならないが、デザイン下部の水色ベタ塗り部分がカットされてしまうと悲しいことになる。
また、デザインを収める枠(パワポで最初に用意した、「2.45*1.65cm」「1.6*1.65cm」の枠)の線が残っていると気になるので、削いでおく。
何とか切り出したら貼り付け。
土台となるコンテナは案外凸凹しており、圧着は一苦労。
私は綿棒であらかた押さえた後、爪楊枝の尻部分で細かく押さえつけてみた。爪楊枝の先端を使うとシールの表面に引っかき傷を残しそうだったので……。
4.完成品
出来上がりはこのような感じ。
透明タイプのステッカーなので、水色ベタ塗りの部分も透けて見えるのだが、遠目だと分からない程度か。同じく、ステッカーの厚みがもたらす遠近感も、Nゲージのサイズではそれほど気にならない。存外悪くない。
また、サイズの小さい文字もそれなりの可読性を保っている。
ただ、コンテナの端っこやツメ部分に関しては「塗り残し」が出てしまう。切り出しで少し削れたせいもあるだろうが、もともとツメ部分は考慮していなかったので、仕方ない面はある。
シールは少し大きめに作るべきだろうか?
まあ私自身純正品のシールだってきれいに貼れない人なのでこれも誤差といえば誤差よ(暴論)。
また、シールを貼ったときの凸凹が光を反射する点はどうしようもない。
これが嫌なら下地を塗装しなければならないだろう。スプレーや筆塗りではなくペンで済ませられないかなあ。
5.おまけ
レンタルレイアウトでコキに載っけて牽引してみた。