ICEとTGVと時々グルメ
喉渇いたああああああああ!
夕食にしょっぱいものを食べまくったためか、激烈に喉が渇いて目が覚める。宿の冷水機で水を呷り、宿を出発。
今日はほとんど移動に費やす。まずは7:52発のエッセン/ベルリン行きに乗り、フランクフルト・アム・マインまで向かおう。
未だに喉が渇いているので、駅のコンビニで水1.5リットルと、フルーツセットをお買い上げ。やはりこういった店の店員は無愛想だが、「Danke」と言えば「Bitte」と返してくれる。挨拶大事。
昨日体験した通り、ICEはユーレイルパスのみで乗車可能だが、このフランクフルト行きは旅程決め当初からの確定事項である。したがって、多少のお金を支払って座席予約している。
ちなみにこの表示、ミュンヘンを出発した時点で、ミュンヘンからの予約分は消滅し、次の乗客(我々の例で言えばフランクフルトからの乗客)の予約表示に変化した。
7:52、今日は遅れもなく出発。平日朝の便とあって、ビジネス需要もあるのだろうか。車内は満員である。
我々3名は2*2の座席に対して横並びで着席したが、残り1席にも当然人が詰めていた。
車内で軽く朝食。昨日のパーティーで余ったパンやハムでサンドイッチ(?)を作りつつ、私はフルーツもつまむ。
通路側-通路側-窓側という配置の我々3名、真ん中にいるのが私なので、私の座席のテーブルが中継貿易の拠点と化す。
そして車内の食堂車も利用。アプフェルシュトゥルーデル(4.9ユーロ)をいただく。うまし。
ICEの食堂車は2種類あり、「BordRestaurant」「BordBistro」のどちらかが連結されている。この列車はBistroの方だった。
食堂車内にミニテーブルもあったが混雑していたので、こうして自席で食べることに。トレーの下に敷いてある皿は食後に返却しよう。
11:04、フランクフルト中央駅に到着。24番線まであるターミナルだ。
ミュンヘン中央駅よりも発着番線は少ないが、端から端までドーム屋根に覆われているのが特徴。駅ないし空間としての一体感ではミュンヘン中央駅をも上回るか。
ドイツ西部の都市なので、フランス国鉄(SNCF)の車両も見かける。また、アムステルダム行きやブリュッセル行きなど、ベネルクス方面へ向かう列車も発着する。ここで1日潰せてしまいそうなのはミュンヘン中央駅と一緒だ。
写真撮影の最中、駅のスタンドでホットドッグ(2.6ユーロ)を食べる。フランクフルトだしね。
さて、ICEの次はTGVだ。12:58のパリ行きに乗車する。
客車はいずれも2階建て車両の「TGV Duplex」シリーズだ。そのうちのドイツ乗り入れ対応車ということだろう。
ここも日本にいる間に事前予約を済ませている。車両中央部で向い合せとなっている、2*2のボックスシートだ。
新ブランド「inOui(イヌイ)」の展開に合わせ、外観はお色直しをしているが、「TGV Duplex」の初登場は1995年。どことなく古臭いかな?という印象も否めない。それでもコンセントやWi-Fiが装備されているのは流石だが。
この列車もまた満員の乗客を乗せ、定刻通りに出発。我々の4人ボックスも、マンハイムから乗客がやってきて4人体制となった。
ICEとの大きな違いと言えば、黒人の姿が目立つことか。ドイツ国内ではほとんど見かけなかった。
一方、乗り心地はICEにも劣らない。上階だと違う可能性はあるが、少なくとも1階席は快適だ。そう、眠気を誘発する程度には……ZZZ……
はっ!少しウトウトしてしまった。
しかも、検札のためにユーレイルパスをテーブルに出しっぱ。危ねえなこいつ。
現在時刻は16時。列車はザールブリュッケンから国境を越え、フランス国内の高速線をぶっ飛ばしている。あと1時間弱でパリに着いてしまうので……
ビュッフェ車両を使わせていただこう。この日の最後の客となるようなタイミングだったので、何とか寝過ごしブッチは回避したか。以前も述べたが、小腹が空いたというより、アトラクションとして楽しみたいのだ。
マドレーヌとエスプレッソのセット(3.9ユーロ)。簡単なメニューだが、マドレーヌが美味い。本場だからいいものを仕入れているのか?
なお、軽食メニューもあったがさすがにパス。今日はロクに動いていないのに食事の機会ばかり多いから……。
高速で流れていく景色を見ながらのコーヒータイム。私を含めて何名かの客が残っている中、2名のビュッフェ担当者は談笑しながらクローズの作業をしていた。楽しそう。
フランスこわい
17:05、10分程度遅れてパリ東駅に到着。よく見るときったねえなこのクルマ。
ヨーロッパを駆けずり回ること2週間、いよいよ花の都に達した我々はめちゃくちゃ警戒していた。
イメージとして、パリはここまで巡ってきた都市群に比較して治安が悪そうであり、また実情として、2019年のフランスは「黄色いベスト運動」に代表されるように、しょっちゅうデモをやっていた。「毎週土曜日は抗議デモの日」とばかり、小競り合いが発生したり、交通機関に影響が出たりと散々である。
よってこの旅行でもパリは「木曜日着、金曜日発」という日程を組み、土曜日を避けたのだが……それでもなんか怖い。
パリ東駅周辺はやたら落書きが多く、地下鉄(メトロ)の駅も古い路線だと薄暗い。都市としてスリが多発するという情報もあるため、財布等を首掛けのポケットに収納し、確実に持っておく。
ビビり散らしながら地下鉄を乗り継ぎ、「Bibliothèque François-Mitterrand:フランソワ・ミッテラン図書館」駅へ。そこから徒歩数分で本日の宿「Ibis Styles Paris Tolbiac Bibliothèque」に到着。
移動中、B氏に人がぶつかった時は焦った。単によろけた人がぶつかっただけなのだが、スる際の手口を垣間見た気がして。それとラップを歌い続けている謎黒人を見た時。
ところで、パリ市内は20の区に分かれており、区によって治安が異なってくる。大雑把にセーヌ川より北(左岸)は危険度が高めで、特に18・19・20区はヤバいと噂だ。そのため、宿探しでも区分けをガン見しつつ選択肢を絞り込むこととなった。
そして、宿があるこの13区は、パリの南東部にある。アジアタウンも抱える下町的な住宅街で、治安はそこそこ。高級住宅街の15区や16区には劣るが、この宿は大通り(トルビアック通り)に面しているので大丈夫だろう。
ここでA氏は単独行動を開始。パリにちょうど友人が来ているらしく、顔見せに出かけていった。
一方私とB氏はホテルのベッドに寝転んで一言。「「ドイツいいなあ」」。
休養日
A氏が無事戻ってきたところで、夜ご飯を食べに行こう。13区はセーヌ川に面しており、大通り沿いや川沿いを中心に飲食店の選択肢は広い。
タイ料理店に入り、魚のフリットとエビサラダを注文。あまり辛さもなく、和食に近いテイストだ。店員(店長?)が少しばかり日本語を使ってくれることもあり、ほっと一息。
「コーヒーください」「それ小さいよ、アイスティーはどう?」だの、「ごちそうさまでした」「まだ何か食べない?(メニューを取り出す)」だの、グイグイ系の一面があったが、それも含めて楽しかった。フランス料理は明日の楽しみとしておこう。
ブダペスト以来の湯船にも浸かり、休養は十分。
明日はパリを去る手段が深夜便なので、めいっぱい活動することになるだろう。しっかり寝ておこう。