こんばんは。飛鷹です。
「千の刃濤、桃花染の皇姫」、クリアしました。
「FDが夏に出るらしいし、それまでにクリアすればいいよね」とか言いつつ1週間程度でフルコンプまで駆け抜けてしまった気もしますが、錯覚でしょう。プレー時間25時間ほどだったから1日平均3~4時間やっていたんだなこいつ。
ということで、今回は各ルートの雑感をざっくりと語りたいと思います。
ネタバレにお気をつけください。
滸√
居酒屋で言うところの先付け。
「大図書館の羊飼い」では共通ルートの最中にいくつか選択肢があり、途中から各ルートに分岐していくという形だった。同じパターンを予想していたので、「選択肢1つでルートが決まり、しかも個別ルートに入って間もなくクリア」という形式にはちょっと驚いた。
多くの謎を残したまま、「俺たちの戦いはこれからだ!」に近いエンド。
奏海√
やべぇよ・・・やべぇよ・・・
唯一、ウォーレンが死亡するルート。加害者は他でもない奏海。さらに、味方に引き入れられていないエルザをも諦めさせることに成功。
これらの行動原理は全て「お義兄様」。というか、「お義兄様のためなら国を滅ぼしても構わない」とかブラコン極め過ぎでは?(褒め言葉)
エルザ√
個人的には結構好きなルート。
立場上相容れないながらも、人間としてのあり方が近い宗仁とエルザ。この2人が戦い・騙し合いを経て、共通の敵を討つために手を取り合うのが王道的展開だけれども燃える。
とまあ、ここまでがいわば「前座」。
千桃では先に進むに連れ少しずつ情報が開示され、それに伴って「宗仁の勝利条件」、ひいては「物語全体の枠組み」が変化していく。
上記3つのルートでは共和国を打倒し、皇国を取り戻すのが大まかな流れだった。しかし、ここからは竜胆作戦の挫折・過去編・伊瀬野編を経て、皇国に巣食うモノを倒すのが最終的な目標となる。
この、「各ルートで物語自体の構造が違う」という点は、全ルート読み終えた後で振り返ってみると大変良いものであった。
古杜音√
個人的一押しキャラ。
このルートでは雪花戦がクライマックスといったところ。朱璃ルートと違って雪花は死ぬが、その間際に救いを得る。
古杜音最大の見せ場が、そのまま物語中最大の山場となっている構造と言える。
正確にはその後共和国軍とも戦っているが、ほぼ一方的に宗仁や滸が暴れているだけなので、山場を超えた後に下り坂を物凄い勢いで進んでいっているようなものか。
とりあえず古杜音はカワイイ。
朱璃√
ド本命のトゥルールート。
雪花戦がラスボス戦から中ボス戦に格下げされ、禍魄との決着をつけるまでの過程がクライマックスに。
繰り返しになるが、この辺の「物語の構造の変化」には感心させられた。
戦いの規模は壮大なものとなり「あーもうめちゃくちゃだよ」と言いたくなるが、朱璃以外の各キャラにもちゃんと活躍の場が設けられているのがグッド。オールスター編を兼ねている、ということか。
最終的には全てを解決した上でハッピーエンドになるが、そこに至るまでの苦難も犠牲も他のルートよりずっと多い、という点はシリアスな作風にマッチしていて好印象。
そして、どうやら雪花は生きているらしい。
しでかしたことは古杜音√より凶悪だが、やはり最終的には古杜音の優しさによって救いを得た、ということか。
余談
「大図書館の羊飼い」では一発ギャグのような笑える小ネタが仕込んであったおまけテキスト。千桃においては各ルートのエピローグ+イチャラブ+サブキャラルートという形になっている。
vita版ゆえ、「そういうシーン」はカットされているので文量は控えめだが、前後の文章は改変されていないので何をシたのかははっきりと分かる。分かってしまう。玉座とか勅神殿とか奉刀会本部とかはまずいですよ!
そして、余談で最も衝撃的だったのが奏海。おまけだからこそできるお義兄様愛の大暴投である。
サブキャラ√
睦美・子柚ルートはほどよいあっさり感。一方で紫乃ルートはもう少し重くても良かった、というところ。FDでお待ちしております。
その他
信念に基づいて行動しているキャラの生き様は大変格好良い。
槇や小此木、トゥルールートのエルザの真意が明かされた時は思わず「これだよこれ!」と言いたくなったし、読み返してみると「一見全く違う方向を見ているようで、目指している先は一緒」という感じがしてたまらない。
それと、槇&睦美の話はもうちょっと見てみたかった。FDでお待ちしております。